日記

デブ女に怒鳴られブラックバイトを半日でバックレた話【山○製パン】

皆さんこんばんは。みぃです。

先日、ようやく重い腰を上げてアルバイトを始めたのですが、半日で脱走してしまいました。

このように至った経緯を、面接の段階から順を追ってまとめたいと思います。

 

 簡単なアルバイトで肩慣らし

前回の記事でも書いたが、精神科で先生と話し合い、来年の授業に備えて今から少しずつ社会と関わっていくことになった。

 

mukiryoku7.hatenablog.com

 

いくつかのアルバイトを経て最低限の対人スキルを身につけていき、大学の講義に出られるようにする。

そこで早速バイトを始めようということになり、手始めに単純作業系のものを探していたら、家から割と近いところに大手パンメーカーの工場バイトが募集されていた。

時給がそこそこで家からも近く、自分が一番向いていると思っていた単純作業が業務内容だったので、「ここしかない!」と思いすぐに電話した。

家の中では親に会話が丸聞こえのため外で電話した。

そのため手元にメモするものがなく、繰り返し用意するものを聞くというアクシデントがあったものの、それを除けば順調に事を終えた。

 面接が最大の難所

それから一週間後、いよいよ面接の時がやってきた。

ここが最大の難所だ。

今まで何度面接をバックレて自己嫌悪に陥ったことか。

電車で最寄り駅に着いたのに席から立ち上がることができなかったり、建物の前まで行って中に入らずUターンして帰宅したり、時間が過ぎるまで布団から出られなくてうずくまっていたりしてきた。

何回応募しても足を運ぶことができなくて、自分の愚かさに失望して、その繰り返し。

時間は着実に進んでいるのに、何一つ成長しない泥沼劇を幾度となく演じていた。

でも今の僕はその時の僕とは違う。

ずっと行けなかった精神科に行けたし、応援してくださる方々もいるし、確実に変わってきた。

今度だってきっと行けるさ。

自分が積み重ねてきた行動に裏付けされた確固たる自信を持ち、家を出た。

 無事パン工場のアルバイトに採用された

工場にバスで向かう途中酔ってしまい、あまりの気持ち悪さに帰りたくなったが何とかこらえ、面接会場に到着した。

門に人が集まっていたため、自分以外にもいるのだと知って勇気が湧いた。

名前を書き温度検査、消毒を済ませ待合室に入った。

そこには10人ほど待機しており、僕が座った後に来た人を含め計20人ほど集まった。

老若男女問わず様々な人がいたが、とりわけ自分と同じ世代の人が多いように感じられた。

社員からの形式ばった眠気を誘う退屈な説明を受けたのち、一人ずづ面接室に連れられた。

自分の番を待つ間は適度な緊張感に包まれ、決して頭がボーっとしたり真っ白にはならなかった。

30分ほど経ち、面接が始まっても特に詰まることもなく淡々と進んでいった。

マスクを着けてよかったのが緊張を和らげる大きな要因だったのだと思う。

一通りやり取りが終わったところで、あっさり採用されて業務の説明に入った。

人手不足のため、余程社会不適合のきらいがなければとりあえず採用して即戦力にしたいのだろう。

次回の勤務日が決まり、大きな達成感を抱きながら帰宅した。

 バックレ欲求との闘い

面接から約一週間後、勤務初日がやってきた。

前回の労働が年末年始の郵便局でのバイトだったため、そこからおよそ七か月半ぶりの労働。

緊張もあってか、早く起きてしまいあまり寝られなかった。

ちょうどいい時間に着くようにバス停に来たはずが、まさかの遅延。

初日から遅刻したら怒られることは間違いないため、バスに揺られながら、最寄り駅に着いた時間によってはバックレて帰ろうと思っていたが、何とか時間に間に合った。

 集合場所に着いたらちょうど他のバイトが社員に連れられて移動しており、来るのが遅かったため取り残されてしまったのではないかと思い、椅子に座りながらバックレようかと悩んでいたが、数分ほどしてさっきの社員がやってきて説明を受けた。

施設を回りながら細かい説明を受けたが、耳が遠いのか、はたまた頭が働いていなかったのかわからないが、全く理解できなかった。

隣のおばさんは質問しつつちゃんと理解していた様子で、帰りたいという気持ちが沸々と湧き上がってきた。

一通りの説明を受け、それぞれ配属された部署に向かった。

事務所に入った途端、目に入った光景に強烈な嫌悪感が生じた。

 薄気味悪いおばさんらが食っちゃべっていたのだ。

面接で見た自分と同じ年代の若者やおじさんが多いのかと思ったのに、とんだ思い違いだったようだ。

部長のような人が目を泳がせながら覇気のない小さな声で注意事項や報告などを読み上げ始めた。

それが終わったら突然、一斉に周りの人たちが上の方を指さして何かを呟き始めた。

僕はあたりをきょろきょろ見回して、新興宗教の会合に紛れ込んでしまったかのような錯覚を覚えた。

いきなり訓示を読み上げられても、何も知らないのだからただ立ち尽くすほかなかった。

 不穏な職場環境

仕事が始まり、しばらく放置されたため端の方に突っ立っていたが、台車を持ってくるように言われたため従った。

どこに置いていいのかわからなかったため適当に端の方に置いておいた。

すると急に横からおばさんが僕と台車の間に無言で入り込んできて「ここじゃねえよ」と言わんばかりの態度で来たもんだから、こっちも頭にきて「は?なんだてめえおい!」という態度で後ろから睨みつけた。

この様子を僕の指導係の優しいおばちゃんが見ていて、マスクを着けていたから正確にはわからないけれど、ひかれてしまったと感じた。

次に二人一組で流れてくるパン生地を板に並べる作業が始まった。

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ペアのおばさんが指導というよりも、イチャモンつけてくる感じだったからこれまたむかっ腹が立った。

板に乗せ終わったらそれを隣の人に渡すんだけれど、気づいてもらうために大きい声を出さなきゃいけなくて、そのたびに帰りたいと呟いていた。

昔コンビニバイトをしたとき、声が小さいやら低いやら言われたことがあって、それを今回も痛感した。

重なった板を持ちげるときに指先が痛くなり、またその日の夜に親指の付け根の関節がジンジンして痛くなった。

幸い翌日の朝には収まっていたが、これを毎日続けたら体がおかしくなりそう…。

 機械を詰まらせてデブ女社員に怒鳴られた

 時間感覚が麻痺していたためどれくらいやったかわからないが、しばらくして僕だけ呼び出されたから反抗的な態度を叱られるのかと勘繰ったが、別の作業をやらされることになった。

完成したパンを袋詰めする機械があって、それが詰まらないように監視する作業だった。

その機械は、手を巻き込むと取り返しのつかないことになる危険な代物だった。

「ここからは手を入れてはいけない」と申し訳程度に書かれた張り紙が貼ってあり、特に注意されていなかったため、その付近に思いっきり手を突っ込んでいた。

その時は何とも思わなかったが、今思い返すとゾッとする…。

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「立って見てるだけってめっちゃ楽じゃん」と舐め切ってよそ見していたら、太った女社員が僕に何かを伝えようと叫んでいたため視線を戻した。

するとベルトコンベアに大量のパンが詰まって、バベルの塔ができそうな勢いで積み上がっていた。

慌てて詰まりを直そうとするも時すでに遅し。

溜まりすぎてベルトコンベアから溢れたパンが地面に落下して、頭の中で廃棄行き確定のアナウンスが鳴り響いた。

社員や他のバイトが大声で僕に向かって叫んで指示していたが、耳が悪いのか全く聞き取れなかった。

「は?どうしろって言うんだ?」と外国人張りのジェスチャーを用いたら、デブ女社員がやってきて、キレ気味に「どいて」と言われた。

まともな説明一つせずにいきなりやれと言い、そのせいでミスしたらキレるって理不尽にもほどがあるだろ。

攻撃性を向けられたら、こっちもその気になってしまうのは人間として仕方のないこと。

ぶん殴りたくなる衝動を抑え、不機嫌な態度をとった。

指示されたときの返事は「はい!」ではなく、「はぁ。あぁ。」という不愛想な反応をしてやった。

その後も何か指示する際にわざわざ怒鳴ってきたため、悪態をつきながら作業していた。

周囲の人は僕のこの舐め腐った態度に気づいていて、「この人やばい」みたいな感じでちらちらと見られていた。

この時点で完全にバックレをキメることを決意していて、時計を見ながら「いつバックレようかな~」とそのタイミングを見計らっていた。

余談になるが、デブ女社員が指示する際の口調で、「~してもらっていいですか?」と疑問形なのが腹立った。普通に言えや。

 奴隷たちの群れ

 昼休みに入り、無料でパンが食べられると聞いていたため食堂に入ったが、なぜかみんな有料の定食を食べていた。

そのため、一人だけ無料のパンを食べるのは貧乏くさいし目立って恥ずかしいと思い、休憩室で放心状態でいた。

無料で済ませられるのにわざわざ汗水働いてかき集めたお金をよくもまあ簡単に使えるよな~と、底辺が底辺である理由が分かった気がした。

休憩室には社員から派遣、バイトまで様々な人がいたが、ガラクタを寄せ集めた墓場だと思ってしまった。

楽しそうに会話している人たちもいたが、生気がまるで感じられない人もいて、こんなところにいい年して働きたくなかった。

作業所も休憩所も冷房が効いておらず、長袖長ズボンで作業させられた挙句、休憩中も帽子やマスクを外してはいけない。

手が巻き込まれたら即病院送りの、危険な機械をほとんど説明なしでやらされる。

完全に従業員を人として見ていなかった。

単なる労働力、企業の歯車としか考えていないのは明らかだった。

ここにいる人たちは、人としての尊厳を踏みにじられているのに飄々としていた。

誰一人として抵抗の声を上げず、服従していた。

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劣悪な労働環境にサヨナラ

「ありえない!こんなところにこれ以上いられるものか!」

お昼休憩の一時間が過ぎ、荷物をまとめてずらかろうと思ったが、いささか空腹が気になった。

この期に及んで人の目なんて気にしてもしょうがないと思い、無料のパンを掴み、冷水をふんだくって窓際の席に着き、乾ききった喉とすきっ腹に放り込んだ。

周りを見たら同様にパンを食べている人がいて、別に当然の権利なのだし遠慮する必要はなかったなと。

休憩時間を過ぎてから食べ始めたため、当然仕事は始まっている。

このまま帰ると給料がもらえなくなる可能性が高まるため、退勤時間を記入して、もらえるだけもらってやろうと思い事務所に戻ったところ、同じ部署のおばさんと鉢合わせしてしまった。

「もう時間過ぎてるからみんな待ってるよ」

と言われ、

「はい!わかりました」

と今日一番の元気な声で返事をした。

そしておばさんがいなくなった瞬間、退勤時間を書き記し、速攻で荷物をまとめて更衣室で着替えて門に向かった。

門で名簿に帰る時間を書くとき、なんと早退したりバックレた人は僕一人だった。

あんな劣悪な環境に甘んじて貴重な人生や心身をすり減らすなんて正気の沙汰ではない。

僕以外の人間は狂っているかマゾなのだろうか。

それとも…。

脱走成功

門を出て僕はすがすがしい心持ちでいた。

自分の手で自由を勝ち取ったんだ。

小さな革命をここで起こし、人類の自由をめぐる闘争を身をもって経験した。

人権なんてあったもんじゃない監獄から脱獄して、僕の目に映る世界が色づき始めた。

色鮮やかな外界で水を得た魚のように

「バックレキモチェェ~~!」

と、思わず叫ばずにはいられなかった。

帰りのバス車内でも、つい一人で笑ってしまい、人々に奇異のまなざしを向けられるのが気持ちよかった。

電話で給料取り立て

二日後の朝、仕事をやめたい旨を伝えた。

理由を聞かれ

「職場の人に指示される際、怒鳴られたことでストレスが溜まった」

と言った後、心なしかぶっきらぼうな対応になった気がした。

「給料はもらえるんですかね?」

と聞いたら

「働いた分は口座に支給されます」

と言われガッツポーズした。

バックレたのに図々しいと思うかもしれないが、労働者としての権利を正当に行使しただけなのであしからず。

電話の最後、二度とうちではバイトできないと言われたが、言われなくてもあんな地獄こっちから願い下げだよ。

緊張して電話してる最中手が震えていたものの、礼儀正しくやり取り出来たと思う。

名札やカードなどの備品は、直接出向くのがめんどくさかったため、郵送で済ませた。

おわりに

求人広告を見て自分に合ってそうだと思い、いっぱい稼いでやるぞ~なんて意気込んでました。

そしてあわよくば友達を作ろうなんて思っていた自分が恥ずかしいです。

まさかこんなに早くやめることになるなんて…。

過度に自分や職場環境に期待しない方がいいってことですかね。

僕に落ち込んでる暇なんてありゃしないので、さっさと次の仕事見つけて働きます!

とても長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。